「自然素材を追求するという意味では、膠(にかわ)という接着剤はとても重要」
では、膠ってどんなものでしょう。
それは、一言でご説明すると、タンパク質。
主成分はコラーゲンやゼラチンと同じ、動物の骨や皮、腱を石灰につけて下処理をしたあと、70〜100度のお湯に数時間漬けて成分を抽出して、さらにろ過と余分な水分を蒸発させる作業を何度も行って、成分を濃縮していって膠が出来上がってきます。
こんな風にお話すると、あまり気持ちのよい感じがしない方もいらっしゃるかも知れませんが、食品のゼリーやお薬のカプセル、写真の表面の加工に使われているものと同じ成分で作られているんです。
その証拠に、夏場に気温と湿度が高くなると、写真やカプセルのお薬がふと気づくとくっついてしまっていたなんていう経験はありませんか?
もちろん口に入るものは、建築用の膠よりもさらに精製を繰り返していって、不純物を極力取り除くようにされているようです。
膠は一般的に使われている石油系の接着剤よりは化学物質が揮発するリスクを減らすことはできますが、動物性蛋白質にアレルギーのある方は、膠を採用される際にも、慎重にご検討頂く必要があるかもしれません。
瀬尾さちこ
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